楽をタノシム

04/25/2023

僕の中で理解しきれない音楽のジャンルがあります。それはボサノヴァです。実は中学生の頃バーデンパウエルを聴いて一生懸命真似をしていたことがありました。気になった曲は「イパネマの娘」です。

当時ラジオの深夜番組か何かから録音したカセットの音源を繰り返し聴いては真似を繰り返していました。もちろんといいますかとても弾けないわけですが、若い時は少し弾けるといい気分のなっていたように思います。

ずっと後になってバーデンパウエルの楽譜集を書いましたが、耳で聴いていたよりも楽譜を読む方が複雑で最後まで弾き遂げることができていません。実は途中で投げ出すのが得意でありましてバッハのギター曲集などもトライしましたが、いまでもまともに弾ける曲が1曲もありません。もうひとつ言えばどう弾いたらまともなのかもわかっていません(汗)。

どうして急にボサノヴァのことを書き始めたのかと言いますと、録画していたボサノヴァの番組でジョアン・ドナーというピアニストのトリオの演奏を聴いてまたボサノヴァの不思議を思ってしまったからです。

何が不思議かと言いますとボサノヴァはサンバやジャズが入り混じって生まれた音楽というくらいはわかっていますが、じゃあジャズやサンバと何が違うのかと言われると明確に答えられません。

ただ感じるのはジャズは研ぎ澄まされた方向へのベクトルがあって、ボサノヴァはリラックス系のベクトルです。サンバはラテン感満載ですが何かがしっかりとしている感じがします。

以前親しくさせてもらっているドラマーにラテンのリズムについて教えてもらったことがあります。特徴的なことのひとつはいくつかの打楽器を鳴らしているとして、それらが時間的なジャストタイムに鳴らしてはいないということだと教えられました。確かにそうだと思います。その微妙なズレがあのグルーブを醸し出しているんですね。

そんな風に演奏してみたいと思ってもこれが簡単ではありません。テンポ通りにちゃんと弾いてしまうからです。もちろんずれれば良いということでもないので難しいわけです。

でも音楽の楽をタノシムことなのかもしれないです。