お義母さん

10月5日は脳腫瘍で幼くして神様の元へ旅立った長女亜希子の誕生日です。そしてこの日は横田めぐみさんの誕生日です。横田早紀江さんの詩に作曲をさせていただくことを決心するには、めぐみさんと亜希子が同じ誕生日だったことが大きく後押しをしてくれたんです。

そして今月の5日、昨年から入院生活を強いられてきた由美子さんの母親の久子さんが息を引き取りました。92歳でした。僕たちにとって10月5日がますます特別な日になりました。

由美子さんと僕との出会いは、仙台市内の高校生たちが始めたフォークソングサークルでした。その後一緒にバンド活動をするようになり、やがて結婚に至りました。

由美子さんの父は教師でミュージシャンとの結婚には大反対でした。それは当たり前です。しかし久子さんと祖母は心配しながらも、由美子さんの思いを受け取り、支えてくれました。久子さんがいなければ由美子さんと僕は結婚に至らなかった可能性もあると思います。

久子さんは音楽を愛していて、4人の子どもたちが集まった時には譜面を取り出してコーラスを始めるような人でした。

ですから由美子さんが歌っているCDやコンサートを聴いた感想には、時に辛口なコメントを寄せてくれていたようでした。

僕を歌うたいとして、そのままで受け入れてくいれたお義母さん。亜希子の闘病中には毎月病院を訪ねて励ましてくれましたね。時々僕が偉そうに「由美子がなんちゃらかんちゃら・・・」と言った時に「由美子は私の大事な娘ですからよろしくお願いしますよ・・・」と釘を刺してくれた義母さん。

常に生活が不安定な歌うたいのところへお嫁に行った娘のことを、どれだけ心配してきたかわかりません。

昨年入院してからは顔を見る機会がありませんでしたが、長い間本当にありがとうございました。なんか歌でも歌って送りたくなってきましたよ・・・、お義母さん。