羊に戻る
昨日で年内のコンサートの予定が全て終了しました。今年のクリスマスコンサートでは音楽的にもステップアップすることができ、毎回有意義な時となりました。
先日のコンサートで語られたクリスマスメッセージでは「羊」の例話が心に残りました。羊は近視眼で弱く臆病。だから羊には羊飼いが必要というお話です。そのことは知っていましたが、今回気がついたのはその羊が自分だとして、ずっと狼になろうとしてきたのではないかということです。
この羊に例えられる人間は、強くなろうとして切磋琢磨します。強くなることは良いことだとして育てられてきました。しかしそれなりに強くなった羊は羊飼いから離れて行きます。自由を求めて。そう、守られていることに飽き足らなくなってゆきます。そして「独り」を知るのです。それが大人になったこと・・・、果たしてそうなのでしょうか。
お話を聴きながら、ここのところもがいていたことは、自分が羊に戻るということかもしれないと思ったのです。近視眼で弱くて臆病な自分にです。牧場で羊飼いを見上げている自分にです。
昨日のコンサートでふと「昨年からいくつもの荒野を通ってきた」と話しながら、本当にそうだったとなあと思いました。由美子さんの膵癌のステージ4との検査結果を耳にした時から、僕たちは新しい荒野を歩き始めました。そして今年由美子さんがクリスマスコンサートを最後まで歌い切ることができたなんて夢のようです。この思いを遥かに超えた喜びの中で、もがいてきたことのひとつの答えが「羊に戻ろう」ということかもしれないと思ったんです。
羊はどんなに頑張っても狼にはなれません。狼の服を纏った羊でしかないのです。
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