分かりやすさの陰に
かなり前のことですが、長崎県の島原に滞在したことがありました。その時に原城へ連れて行っていただいたのですが、そこでご婦人の方から被曝体験を伺いました。生死を分けたのは、その瞬間に何処にいたかというちょっとした違いで、そこが屋外だったとしても直接閃光を浴びるところにいたかどうかで違ったそうです。その方は背中一面に砕けたガラスの破片が突き刺さったとおっしゃっていました。
先日の選挙では「核兵器は安上がり」などということばが聞かれました。どんな意図を持ってそんなことを大衆に向かって話されるのかと思いました。最近聴いたYouTube番組で弁護士の三輪記子さんが「怖いと感じたこと(例えば近隣の国に対すること等)はそれに抗うことよりも相手を学ぶことが大切」とおっしゃっていて考えさせられました。
昨今は1分のショート動画じゃないと観ない聴かないという人が多いそうです。そいうことは本は読まないだろうし、専門家の言説には耳を傾けないということでしょう。1分でわかることってなんでしょうか。それはタイトルだけです。
最近たまに口にしますが、僕はよく効く市販薬には気をつけようと思い始めています。それはよく効くのと同じくらいの副作用があるのではないかと思うからです。1分の情報は「よく効く」という部分だけの情報です。「核兵器は安上がりですが、使ったらもれなく死ぬことができます」の前半だけではなく後半を知ってから判断しないと、自分が推したことで最初に死ぬのが自分だなんてことになりかねません。
権力者の気持ちなんて想像できませんが、権力を手にした後に正気でいられるかどうかがとても重要なことです。僕が権力者になったらどうだろうかと思います。表ではペコペコ頭を下げながら「この蟻どもが!」なんて思う人間になったりして。そんなことがあるわけがないとおっしゃられると思いますが、大きな力を持つということはそういう誘惑の中に放り投げられるということです。もはやあなたを制する人間はいなくなるのですから。
アメリカのTさんの映像を見ていて時々「え!」って思うのは周囲の人たちのふやっとした顔つきです。様々な交渉ごともTさんが良しと言わなかればOKにならないと聞きます。これはTさんが強大な権力を持っているからです。
分かりやすいく語れることは素晴らしいと思います。しかし時として分かりやすさというものは、陰に恐ろしいものが潜んでいることがあります。そもそも本当のことは分かりやすいわけがないと思っています。
権力者側からすればショート動画で右や左へ動いてくれる人々は御し易い人々でしょう。自分は真実を知って何かに抗っていると自負しながら、権力者の思う壷になってしまっていることがあり得ます。僕自身気をつけたいと思います。








