(3)ウクレレの押弦について

07/28/2023

この記事は以前のブログからの転載です。

ウクレレの押弦はギターと基本的な考え方は同じですが、ギターが膝の上やストラップでしっかりとポジショニングされているのにくらべて、ウクレレは右ひじやウクレレポイントでホールディング、あるいは支えるという不安定な状態にあります。
ギターの押弦の時に両腕の力のかかり具合をいろいろ説明しましたが、なぜ頑張って説明しているかといえば、ひとえに力ずくで押弦をしないためです。大分前に指のエキスパンダーみたいなものを楽器屋さんで見たことがありますが、指を筋トレするという考えは止めたほうが良いです。指エキスパンダーはさすがに最近は見たことがありませんね(笑)。というわけで今回のウクレレの押さえ方のヒントも力ずくで押弦しないためのものです。
ギターと基本的な考えは同じと書きましたが、それは右腕の重さ利用して右ひじでウクレレを身体に引きつけることと、左手の腕の重さを利用して押弦することです。ギターの押弦の時には弦にぶら下がるような気持ちで、あるいは実際にぶら下がってみて押弦の感触をつかむように書きました。しかしウクレレの場合は実際にぶら下がるとウクレレも一緒に下がってしまうので、腕の重さを利用して腕全体を身体の後ろ方向に引くような感じといったほうが良いでしょう。

次の画は押弦しているところを近くで見た感じです。

親指の位置がギターとは違うことに気づかれたでしょうか。親指は1フレットから2フレットあたりのネックの中心部分に添えることを意識するのが良いでしょう。

それから親指のネックに触れるポイントですが、親指で何かのボタンを押す時に使う場所(ポイント)だと思えば良いと思います。これはギターのフラットピックを持つ際の親指のポイントにも当てはまります。指にはそれぞれ最小限の力で仕事ができるポイントと方向があるので、両手共にこのことを意識して指を使うと良いと思います。

押弦が力んでいる時に起きる症状があります。それは指先に近い第一関節がまっすぐに伸びている状態です。押弦している指を横方向から見たら台形のような形に自然にカーブしているようにしなければなりません。

ただしここでは個人差が生じます。指の長さや指どうしの長さのバランスがそれぞれ違うので、練習の中でそれぞれにベストな押弦フォームを築いていかなければならないのです。

ここで机の上を人差し指で上方から押してみる実験をしましょう。まずは第一関節を伸ばして押してみてください。

次に第一関節を軽く曲げて押してみましょう。

どちらが無理なく押せるかがお分かりいただけると思います。

第一関節が自然に曲がっている時には指先を使って押さえているのではないでしょうか。押弦も指先でフレットの側を押えるのが良い、ということにもつながりますよね。

さらに先ほど親指のポイントでボタンを押すならば、という風に書きましたが、1〜4の指もフレットの近くに小さなボタンがあると思って見てください。それを指先で軽く押すというイメージも押弦には有益ではないかと思います。

軽く押弦するためのポイントが指先で押弦することと、横から見た指全体が台形になっているということです。

それから最後に押弦で大切なのは1〜4の指の付け根をネックに付けないということです(ギターのシェイクハンドグリップの場合は違います)。ですからウクレレの場合、左手は親指とウクレレポイント、そして押弦する1〜4の指先が適宜ウクレレに触れるということになります

次回は右手のストロークやフィンガリングについて書きましょう。