今日はどんな歌を歌う?
最近よく聴いているのは『Western Swing』で、Spotifyでランダムに聴いています。
昨日は今年1月に出版された『聴かずに死ねるか!』の著者である、麻田浩さんのトークイベント&ライブに出かけてきました。
地元狭山での開催とあって気軽に出かけましたが、そんなイベントができてしまう、東京から50キロほどの郊外にあるこの町は、今でも面白いなあと思います。
会場は以前アメリカ村と呼ばれていた米軍ハウスが立ち並んでいた地域。現在では3軒だけが残っています。
このイベントを後押しているのは40年以上も前からハウスに住み活動を続けてきたアーティスやこだわって生きてきた人たち。その絆が今も変わらないってところが呆れるほどすごいんです。
さて麻田浩さんを筆頭にハウスの空気を今も発散している皆さんの特徴は『おしゃれ』。特に狭山のハウス文化は『HOSONO HOUSE』に代表される東京的おしゃれと言っても良いでしょう。
実は隣の入間市にも以前はハウスが多くあり、たくさんのミュージシャンが住んでいましたが、そちらはなぜか関西系のミュージシャンが多く、狭山とは微妙に違う空気感だったようです。
僕は関西出身ではありませんし、もちろん東京出身ではありません。仙台出身なわけです。
当時の仙台は東北では一番大きな街でした。そして仙台人の、特に文科系の仙台人の視線は東京に向いていたと思います。少なくとも自分はそんな感じでした(少し周りの空気に流されていた感あり)。当時は東京で一旗上げないと相手にされないという空気が残っていたかもしれません。僕的には田舎の1番で満足したくないという気持ちがどこかにあったんでしょうね。
その頃ハッピーエンドや小坂忠さんに憧れていた自分が、将来その発信地である狭山に住むことになるとは思ってもみなかったのですが、デビュー時のバンド『Hobo’s Lullaby』のドラマーO氏の関係で狭山へ移り住むことになったんです。
狭山に住んでほぼ40年。未だに自分にはおしゃれが身についていません。いや身につけてこなかったんでしょう。
若いころギタリストの友人に「格好つけないことが一番格好つけてるんだよ」と言われたことがありました。確かにそうかもしれないと、これまでも時々このことばを思い出してきました。
東京のおしゃれな文化には入れない。関西の良い意味でお構いなしの文化にも入れない。仙台はとうの昔に出てきてしまった僕は、ある意味属すことを拒んできた、ただの岩渕でしかないのです。でも時には、ただの岩渕であることにしょげそうになることもあります。「岩渕ってなんぼのもんじゃい!」ということですね。
と、ここまで今の自分が自分であるのは街のせいでもあるかのように書いてきましたが、今の自分へと誘ったのは仙台でもなく、関西でもなく、東京でもなく、自分自身でした。
なんぼのもんでもない岩渕!。今日はどんな歌を歌う?
ふと聖書のこんなことばを思い出しました。
恐れるな。虫けらのヤコブ、イスラエルの人々。わたしはあなたを助ける