甲子園決勝

もうだいぶ前のことになりますが。仕事で甲子園球場側のホテルに投宿していたことがありました。ちょうど昼間がフリーの日 に高校野球大会が開催されており、しかも故郷仙台の育英高校の試合があるということで観戦に出かけました。後にも先にも1度だけの甲子園での高校野球体験でした。この時はそれほどお客さんが多くはなく良い席で観戦することができました。

今年の夏の甲子園決勝はその育英高校と103年ぶりに決勝に進んだ慶応高校との試合です。これは観ないわけにはいかないというわけでフリーの特権を活かしてテレビ観戦をします。

ところで自分が高校を卒業した後も、高校球児たちが年上に見えていました。その理由はわかりませんが音楽で暮らしている自分に比べるとなんとしっかりしているんだろう・・・的な感じだったのかもしれません。

それがある頃から年下に見えるようになり現在まで続いていますが、最近は逆に若さプラス頼もしさを感じるようになってきています。ある時からアスリートたちの口から「楽しむ」ということばが聴こえてくるようになりました。当初の僕は自由に楽しんで音楽をやっているのにも関わらず、少々の違和感を感じたものです。これが昭和の感覚なのでしょう。アスリートは苦しんで頑張る人たちで、血の滲むような思いをして今日の結果を勝ち取りました・・・、的なことばを想定していた自分がいました。

しかし楽しむということばの背景には、コーチや監督のコーチングがその方向性を推奨していることでしょうし、スポーツ医学やメンタルな分野での研究も大きく影響していると思います。

若い頃の僕はステージの上でゆらゆらしていたようです。それをご覧になったお医者さんが「身体を揺らすと声が出るようになるからいいんですよ」と言ってくださいました。本人は意識していないかったので驚いたのですがそうらしいのです。

そういえば全力を出し切るためには、力むことでも、勇むことでもなく、自然体でいられることだと思っています。実はスポーツでも音楽でも本番の時に自然体でいることが難しいわけです。

決勝の両校はどのようなアプローチ、姿勢で闘うのかもみどころだと思います。やっぱり仙台生まれとしては育英高校にかってもらいたいのですが、どうなりますやら。