いただくとは、贈るとは

由美子さんが退院して間もなく4ヶ月が過ぎます。膵臓癌ですので手術によって広く内臓を切除しています。術後の暮らしもいろいろと困難が続いていますが、ここまで少しずつですが回復をしてきました。先週はコンサートで歌うことができたんですからただただ感謝な気持ちです。

退院直後の3月6日に渥美二郎さんから快気祝いが届きました。それは大きな大きな胡蝶蘭だったんです。そのことはブログに書いています。

その胡蝶蘭が昨日、残すところ二輪となっていました。そして今朝とうとう一輪になっていました。

胡蝶蘭は何度か見たことがありますが、どのように散って行くのかを見たのは生まれて初めてのことです。この花が部屋を彩ってくれてから約3ヶ月半、ずっと咲き続けてくれて、僕たちにそっと寄り添ってくれていたような気持がしています。

そして、いのちって誰かを励まし支えるんだなあと改めて思っています。どんな「いのち」かじゃなくて全ての「いのち」はです。お互いが生きて、お互いが生かされているということなのでしょう。

それにしても渥美二郎さんと出会わせてもらうなんて、全く想定外のことでした。同じ音楽でもジャンルがかなり違いますから余計です。結んでくださったのはLOOPさんというテレビ制作プロダクションなんです。ある日このLOOPさんから密着取材をしたいとの申し出があったんです。これも思いがけないことでした。そして何本かのYouTube番組が生まれました。ヒューマンドキュメンタリーチャンネルへアクセスしていただくと「気分は各駅停車」という密着番組がありますのでぜひご覧ください。この中の対談番組として渥美二郎さんとの対談がセッティングされたんです。

そして後日「永遠鉄道」がさらに渥美さんとの関わりを深くしてくれました。

ちょうど胡蝶蘭が残すところ二輪となった日に、渥美さんから由美子さんへ電話が入りました。常々心にかけてくださっていることに只々感謝です。

胡蝶蘭は寿命の長い花のようです。花の後はどのようにケアができるのか調べなくちゃと思っています。

僕たちは、これからもどこかで胡蝶蘭を見かけるたびに渥美さんを思い出すでしょう。そう贈り物というものはこういうことなんですね。いただくとは、贈るとは、こういうことなんですね。