ストレートかフレアか
2、3年前に、ギタリストの佐藤克彦さんとお会いする機会がありました。佐藤さんといえばスライドギターの名手なので、当時スライド初心者の僕にとって、佐藤さんとのやりとりはとても興味深いものでした。
その中で「どんなスライドバーを使っているんですか」と伺った時に、「今日はどれを持ってきたっけなあ・・・」、とそれほどこだわっていないようであることがわかりました。もちろんこれはこだわった末に選んだスライドバーの中の「どれか」でしょうから、単になんでも良いではないことはもちろんです。
そんな一連の会話の中で「ストレートが以外に使いやすいんですよね」、とのひと言がその後ずっと気になっていました。
アコースティックギターの弦は1弦から6弦まで全く平らではなく、僅かに曲面になっています。スライドバーもその曲面に合わせて僅かにRがついているフレアというタイプがあります。
アコースティックギターでのスライド奏法では何本かの弦を同時に鳴らすことがあるので、弦のRをカバーできるフレアタイプが理にかなっています。なので僕もこのタイプのバーをたくさん持っています。
しかし佐藤さんの「ストレートが以外に良いんだよね」が時々頭をもたげてきます。
先日改めてガラスのスライドバーを試していたところ、少しストレートの良さを感じとることができました。それはある程度バーに押さえる力を加えた時には、バーによって弦のRが適度に押し込まれて弦のRがストレートに近くなり、ストレートのバーでも全弦を鳴らすことができるということでした。
また押さえる力を加えなければ、弦の方にRが付いているので、弾きたい弦以外の弦はバーから離れていることになるので、弾きたい弦だけを弾くことが有利になります。
フレアタイプだと弦のRに沿うようにRが付いているので、弾きたい弦以外の弦にもバーが触れてしまってノイズを出してしまう事があるんです。
というわけで、ここしばらくはガラスのストレートを使ってみているんですが、なかなか気に入っています。さらにバーのサイズが短いタイプも試したいと思い、短いタイプをポチりました。
今日からしばらくはノーマルな長さが良いのか短いタイプが良いのかを試し倒したいと思います。
秋からのコンサートではどんなスライドバーを使っているんでしょうかね。「今日はどのスライドバーを持ってきたっけなあ・・・」と達観できるようになるのは、いったいいつになるのでしょうか(汗)。