おもしろ話(17)

07/03/2023

今回の東北の旅では仙台で牛タン。釜石では新華園の釜石ラーメンをいただきました。

何年も前になりますが紀伊半島は突先の串本へ伺った時に、帰りは名古屋経由での列車移動でした。お昼の駅弁を物色していたら「めはり寿司」という文字が目に飛び込んできました。僕は「これだ!」と思ったんです。このお寿司は紀伊半島の海で漁れる「めはり」という魚を使ったお寿司に違いない・・・、と妄想を膨らませていたわけです。しかしお昼になって蓋を開けてみてびっくり、そこには緑色の巨大なおにぎりがふたつ鎮座していました。

「めはり寿司」とは高菜で包んだおにぎりだったんです。そのネーミングはサイズが大きいので食べるときに目を見開くかららしいんです。でも食べてみればとても美味しいめはり寿司でした。

話は飛んでスウェーデンでのことです。滞在中のある日、農家の方から朝食にお招きをいただきました。幹線道路から脇道に入り針葉樹の林を抜けるとそこに青々とした農地が拡がるという典型的なイメージの農家でした。テーブルには朝の優しい光が差し込み、たくさんのご馳走が並んでいました。色々と話も弾み(通訳を通して)、時間が過ぎてゆきました。目の前の白いお皿にはオートミールがあり、採れたてのミルクがふんだんに注がれていました・・・。とここまでは美しい朝食風景なのですが、テーブルの上空50センチほどのところに十数匹のハエが飛び交っていました。

あちらの皆さんは日本のようにハエを毛嫌いするわけでもなく、そのままで食事をしているので僕もさりげなく食べていたのですが、一匹のハエが僕のオートミールの皿の中に墜落して、オートミールが陸地だとすれば、ミルクの海の波打ち際で溺れているではありませんか。あまり動揺するのも失礼なので、僕はさりげなくスプーンでそのハエをすくい上げて足元に投げ捨てました。その後のオートミールの味はちょっと出汁が効いている感じがしましたよ。