その線路の先で

ここの所YouTubeのアップロードは午後7時にしています。昨日は以前のカセットテープから起こした音源から「鉄道線路」をアップしました。

こんな歌詞です。

ー鉄道線路ー
汽車は煙を吐き吐き汽笛を鳴らし
スーツケースと一緒におまえを連れていった
駅前通りから足音が去って
遠く消えてゆく汽車の音だけ
*さよなら愛した友
赤い煉瓦の鉄道線路を
ごきげんよう愛した友
赤い煉瓦の鉄道線路を

暗い雪国に春がやってくる
白い雪は溶け流れ始める
おまえはいつものように優しかった
おまえにくちづけしそうになった時もある
*くりかえし

この曲を歌っていた頃はシンガーソングライターになることを夢見ていました。仙台ではそれなりに活動をしていましたが、メジャーデビューなんて夢のまた夢で、大学進学のために仙台を離れて東京へ出て行く友人を見送っていました。

威勢よく高校を3年の3学期に中退したものの、それぞれに進路を決めて前へ進んでゆく友人たちの中である種の孤独感、孤立感を強めていた春だったのかもしれません。

この「鉄道線路」はそういう僕にとって、そんなひとつの時代を象徴している曲です。

先日テレビか何かで「脳は年齢で変わってしまう」ということを知りました。その詳細はわかりませんが、今どうあがいてもこの「鉄道線路」には戻る事ができません。〜赤い煉瓦の鉄道線路〜なんていう言葉は出てこないように思うんです。だってよく考えたら意味がわかりません。もちろん自分では何を表現したいのかはわかっていますが・・・。

以前から妻がこの当時の音源が入っているカセットを大切に保管してくれていることは知っていましたが、それらとちゃんと向き合うと脳が混乱するだろうなという予感を持っていました。なのでちゃんと向き合うことはしてこなかったんです。

YouTubeを始めて2年が過ぎ、音源をアップする方向になってきている今、改めてこの時代の自分をみなさんにも聴いていただこうと思い立ち、その作業の中でこの時代の自分と正面から向き合うことになりました。それは今の自分とも正面から向き合うということになります。

先日ある映画の中で老年に差し掛かった小説家が「僕は〇〇○を書いてからは社会に対して言いたいことなんて何にもなくなったんだよ・・・」と心中を吐露していました。この言葉は僕の中に何かをよぎらせました。

「鉄道線路」からそろそろ50年。岩渕君よ君はその線路の先で今何をしているんだい。

 

 

 

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Posted by buchi