鍋の蓋が少し開いて

先週の木、金、土の三日間に渡り一昨日アップした「とこしえに我らとともに」のボーカルを少しでもイメージに近づけようとかなり集中してミックスや再録音をしていました。アップしたものは今の録音環境と機材ではここまでしかできないなと思った音源です。

普通に聴かれたら「何が、どこが、どう違うの・・・」的な感じだと思いますが、これでも僕のイメージ通りにはなっていません。

2011年の12月に「北上夜曲」というCDをリリースしました。自分ではかなり音にこだわって録音したのですが、最終的なCDにプレスをした段階で音が違っていました。出来上がったCDを最初に聴いた時のショックは今でもおぼえています。この違いも実際にこだわって作り込んできたからこそわかるもので、普通に聴いたら問題にならないとは思います。

実はこの時制作費を軽くするために始めての工場に依頼したのでした。そもそもここが間違いの元だったというわけです(汗)。

でも最終的な仕上がりが納得できないのは納得できないので(笑)、プレスの工場をこれまでの工場に戻してプレスをし直しました(汗汗)。このアルバムもYouTubeにアップしていますので聴いていただけたら嬉しいです。

実はボーカルレコーディングで苦労する理由が何かはわかっていました。それはマイクです。もちろん今のマイクがことさらに悪いというわけではありませんが、価格にすると数万円のマイクです。ぼくがイメージしている音はこれまでのレコーディングで使ってきた数十万円の録った音なわけですから、そりゃあ違うのは当たり前です。

でもなんとか近づけたいとやるだけやってみたわけです。3日目には精神的に大丈夫か・・・と思うことがあったぐらい集中していました。

そしてこの3日間を経て、プロレベルの最低限のところまでランクを上げるしかないということを受け入れました。ということであるマイクを買うことにしたんです。

届いたマイクで軽く録ってみましたが、3日間頑張ったよりも良い音で録れていました。

優れたマイクだとミックスの時間が軽減されるというフレーズは聞いていましたが、まさにそれは真実のようです。

というわけで次の録音からそのマイクを使い始めます。

不思議なんですが鍋の中で蓋をしたまま、あれやこれやとやっていた鍋の蓋が少し開いて光が見えたような気がしています。気持ちのどこかが楽になり、意識のどこかが少し上向きになれたように思います。

それにしても今のマイクで悪戦苦闘をしてきたことがすごく勉強になっています。

YouTube, 日記, 音楽

Posted by buchi