人って 思ってもみないふうになるものだからね

誰もが耳にのこる歌を持っていることと思います。僕にもいくつもそういう歌がありますが、そのひとつが岩渕保輝(息子)のオリジナル「儚さに揺れて」です。ここのところ昨年秋のライブの動画をYouTubeにアップしているのですが、昨日はそのライブの中から保輝が歌う「儚さに揺れて」をアップしました。僕のチャンネルで自分が登場しない初めての動画かもしれません。

息子の後ろには息子よりも若い、デビュー当時の僕の写真があります。もちろん当時は何年か後に妻と息子と3人でライブをするなんて考えたこともありませんでした。

コロナ禍の少し前から我が家の夕食後には映画を観ることが多くなりました。きっかけは当時読んだ小説がBSの映画チャンネルでドラマ化されていることを知って、お試しに無料登録をしてみたことからです。残念ながらお目当てのドラマはすでに終了していて放送予定はないとのことでしたが、そのチャンネルでは映画はもちろんですが、ライブや好きなラグビーの試合も放送されるので結局そのままサズスクを続けています。お金がかかりますが夫婦で月に1本映画館へ行くと思えば良いか・・・、という感じです。おかげでここ2、3年で500本以上は映画を観てきたんじゃないかと思います。

昨晩は芦田愛菜さん主演の「メタモルフォーゼの縁側」を観ました。人気コミックの映画化でボーイズラブのコミックをキーにした内容なので、サブスクをしていなければ観ることはなかったと思うのですが、僕はそういう内容がわからない映画を観るのも嫌いではありません。面白いとわかって観るのが普通だと思いますが、ふらっと入った定食やさんみたいに当たる時は大当たり、外れる時は大外れみたいなことも面白がっています。

「メタモルフォーゼの縁側」は楽に観ることができました。しかし予定調和ということでもなく程よい意外性の物語でした。この程よいってなかなか難しいことかと思います。自分で創作活動(自分で言っちゃった)をしている時にも、思わず振り切ろうとする自分との闘いがあります。振り切るって意外と簡単なことかもしれません。

ところでどうして「儚さに揺れて」からこの映画のことを持ち出したのかと言いますと、映画の支柱となっている宮本信子さんのセリフの「人って 思ってもみないふうになるものだからね」というフレーズが自分に重なったからです。

若い頃に歌うたいになりたいとは思っていましたが、どこかでは「なれるはずはない」とも思っていました。なので自分の夢と違うことが実現することは思いがけないことですが、自分の夢が実現することもある意味思いがけないことだと思います。人生って「なる」ものではなく「なっちゃった」ものかもしれないんです。

しかし「なる」にしても「なっちゃった」にしてもそこに自分がいることだけは変わりません。自分の性格や考え方、行動の傾向も含めての日々の繰り返しの何かが「なる」と「なっちゃった」の間のどの辺に立つかを決めているのかもしれません。

そしてこれには他の人の「なる」と「なっちゃった」も関係してくるので解析は相当複雑になると思います。

あまり深い迷路に入る前に妻と息子と3人で歌うことになるなんて考えてもみませんでした。そして息子が歌ううたが自分の心に留まるなんて・・・。

息子にしてみても歌うたいの家に生まれて、ギターを弾くようになり歌をうたう人になっちゃったわけです。そして今は家族のために歌をうたうことからは遠ざかっちゃいました。僕はなぜか歌をうたう人という人生をもらいました。でも僕にもまだ「人って 思ってもみないふうになるものだからね」が待っているのかもしれません。

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ギンイロヒコーキアコースティックLIVE
出演:洪栄龍/岩渕まこと
3/18(sat)Open 15:00   Start 15:30
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お申し込み MAKOTO BOX
singanewsong@makotobox.boo.jp