映画を二本

06/22/2023

今週は良い映画を二本観ました。ひとつはBSプレミアムで放送された『ギルバート・グレイプ』。もうひとつは映画館での『グリーンブック』です。

『ギルバート・グレイプ』はアメリカの田舎町で生活する母と4人の兄弟たちの物語です。父親は自殺をし、母親はそのショックから過食になり歩行も困難な身体になってしまっています。4人兄弟のひとりは精神障害を持っていて、兄弟たちがその面倒をみながら生活をしています。

ネタバレはいけないと思うのでこれくらいにしておきますが、とにかく家族全員が自由を奪われた状態で生活をしています。

そこへ車でキャンピングカーを引っ張りながら旅をしている母娘と長男との出会いがあり、娘と長男は恋に落ちます。

そして母親の死をきっかけとして、兄弟たちがそれぞれの道を歩みだすというところで終わります。

家族、過食、精神障害、愛情、我慢、感情の爆発、と私たちの平凡な暮らしからもさほど遠くない出来事の中でもがいている人間模様が全編を通して描かれています。

観終えた僕には映画全体がひとりの人間の内面のように感じられました。そしてそれは僕の内面に他なりません。

もし僕が何かにがんじがらめにされているとしたら、がんじがらめにしていのは自分自身かもしれないということです。

映画は自由への兆しを感じさせながら終わりますが、その自由はスポットライトを浴びて輝くような自由ではなく、ちっぽけでささやかな自由です。僕はそんな自由の中に居ながらも気づかずに別の自由を求めて彷徨っていました。

混乱は自分の中にある。そして自由も自分の中にある。全ての種は与えられている。この映画を通してそんなことを考えさせられました。

続けてグリーンブックの感想にいきたいところですが、『ギルバート・グレイプ』でこれだけ書いてしまったので、グリーンブックについては次に書くことにします。


日記

Posted by buchi