そうなんだよ岩渕くん

若い時には頼まれなくても日々曲を作っていたような感覚があります。その後職業として音楽に携わるようになってからは、仕事として作曲することはできるようになりました。ニーズと締め切りがあればできると言う感じです。問題は仕事ではなく湧き出るように曲を作り続けてくることができたかというと、残念ながらそうではないんです。

詩人のリルケが「詩を作れないと悩む人は詩人だ」と言ったそうです。僕もそれをいただいて、曲が作れないと悩んでいる自分はソングライターなんだと慰めてきましたが、最近ではそれじゃあすまない程曲を作る気持ちが萎んでいたのです。

ところがつい最近驚くことが起こりました。それはギターのピックアップ、アンセムの調整がとても上手くいって、気に入った音が出せるようになったことからです。弾いた出音が気持ちよく、指先の微妙な感覚も表現できるようになったら音楽が俄然生き生きとしてきたんです。年に何度かコンサートのリハーサルの音が気持ちよくて、しばらく歌い弾き続けていたくなることがあります。そんな時にはこの感じだと曲が作れそうだなあ・・・、なんて考え流のですが、今回ギターの音が良くなったら、その時に似た感覚を感じるようになりました。

なぜか音に気持ちが乗るようになったんです。エフェクター萬相談所のMr.Kにそのことを言ったら、「そうなんだよ岩渕くん」という答えが返ってきました。これはひいては良い楽器を選ぶことにもつながってきます。楽器が上達できないのは楽器のせいである可能性も無視できないということだなあと言うか、かなりそうだと思いました。初心者だからこれくらいでいいか、じゃなく良い楽器を持つことが可能性を大きく広げることになりそうですよ。なぜか説教になってしまってすみません。ということでこの夏は新曲量産ですかね。