空と土の間を取り持つ
今朝も妻は畑へ出かけました。畑は年初にお借りすることになり、春までは僕も畑にでかけて草取りなどを見様見真似でやってきましたが、その後左膝に痛みを覚えるようになりました。鍼灸治療院へも通いましたが一進一退でなかな改善しなかったので整形外科を受診しました。先生の見立てでは草取りが原因かもしれないとのことでした。しゃがむという姿勢はかなり膝に負担がかかっているとのことでした。
というわけでその後の僕は畑で作業することができなくなりました。元々3家族でゆったりやってみようということで始めた畑なのですが、我が家を除く2家族はなかなか畑に出る時間がないようで、ほぼ妻が3家族分の畑を維持管理しているようなことになっています。
妻は時間があるとポッドキャストやサイトで熱心に畑の勉強をしています。いまでは妻の口から僕にはわからない専門用語が飛び出すようになりました。
考えてみると結婚して40年以上、妻がこれほど家庭以外のことにのめり込んだことはなかったように思います。そう、これまでのすべてが家族のためだったと言っても過言ではないような生活をしてきました。まあ畑もある意味家族が始めたものを一手に引き受けていることになっているのでこれも家族のため、家族のせい(汗)かもしれません。
ただ日々、畑との親和性を増してゆく妻を僕はシンプルに「すばらしい」と感じるようになりました。それは畑作りが彼女の地面をキャンバスにしたアートに思えるからです。そこには彼女のいのちを愛おしむ思いがあふれています。そして育てた作物達は食卓を飾り、感動するほどの甘露な味を楽しませてくれています。そして作物達は空気中の二酸化炭素を土に戻し酸素を空に放ってくれています。僕たちはそれにも預かっているわけです。
おおげさかも知れませんが、ささやかでもその空と土の間を取り持つように汗を流す妻を誇らしく思います。
なんて言うと妻からは「はやく美味しいものをたべさせて」ってことでしょう、と言われそうですね。