あひる農園
あひる農園ではいろいろな作物が育っていますが、その中のひとつにライ麦があります。ライ麦なんて例の小説かパンになった状態でしかお目にかかりませんが、なんとあひる農園で収穫しているんです。
まずは”あひる農園”の説明が必要ですね。これは勝手にいま名付けた家庭菜園のことです。ここは妻の由美子さんがすべてを手がけている由美子ワールドで、僕から見るとそれは作品だと思えます。家庭菜園とは言っても15メートル×5メートルくらいはある感じですから立派な畑です。畑をキャンバスと言い換えると、そこに何を育てるかをプランして植え、育て、守り、収穫をし、先のために土を育てるわけです。植物に水は欠かせないので絵ならば水彩画ですかね。
最初はただハタケと呼んでいましたが、由美子さんの思いが込められ、野菜たちが育ってくるのを見ていると、ここは農園のようだと思い始めたんです。愛情のようなものが生まれてきたわけです。
さて肝心のあひるに関してですが、じつは高校時代に一緒にバンドを組んでいた時に僕が由美子さんにつけたあだ名なんです。いま考えると由美子さんにもあひるにも大変失礼なあだ名のようにも思いますが(汗)、当時はあひるが通り名になるぐらいみんなに浸透していました。今でも仙台に帰れば友人たちからはあひると呼ばれます。
加えて昨日今村夏子さんの小説「あひる」を読んだことから弾みをつけられました。もちろんこの本を手に取ったのもあだ名のあひるが頭にあったからなので、由美子さん始まりということになります。
あひる農園に何種類の野菜たちが植えられているのかは知りませんが、我が家の食卓をその野菜たちが占める割合がぐっと増えてきています。
そして考えることは農家が出荷する均一の野菜を収穫するのがどれだけ難しいことかです。その反面あひる農園の野菜たちからは、元々野菜はこんな風情でこんな味なんだという原点のようなものを教えられます。
そしてそのことをふと音楽にかぶせてみたくなります。