広瀬橋
土曜日に昨年デビュー35周年記念ライブから「広瀬橋の門番」をアップしました。この曲を作ったのはほぼ50年ほど前のことです。
生まれ育った仙台で歌っていた若い頃、何人かの友人は進学のために東京へ出てゆきました。そんな中、歌うたいで生きてゆきたいという願いをよそに、将来の道が見えてこない自分の葛藤を歌ったのが「広瀬橋の門番」です。
歌詞には「町の境は広瀬川」と出てきます。広瀬川は仙台の南側を流れていて、そこを超えなければ東京へは行くことができません。僕にとっての明日はその川の向こうにあるように思えたんでしょう。
僕が最初に川を渡ったのは19才の頃だったと思います。その時はビクターからデビューのお話をいただいていましたが、ディレクターとの折り合いがつかずに断念しました。しかしその後もしばらくは東京で暮らしていたのですが、精神的にもよろしくない状況になり、仙台へ戻りました。
次に広瀬川を渡ったのは24才でコロムビアからのデビューが決まった時でした。デビューして間もなく、2枚目のアルバムの制作を前に、今も住み続けている狭山市へ居を移すことにしました。
30年くらい前になりますでしょうか、家のそばに新しい橋がかかりなんとその橋の名は広瀬橋でした。
広瀬橋は僕の人生の中で忘れることのできない橋となりました。