天ぷらで一歩

昨日と今日は続けて由美子さんの通院です。毎回診察時間がお昼前後になるので昼食をどうしようかと悩みます。昨日は1時くらいに支払いまで終わったので、以前から気になっていたうどん屋さんに行ってみました。そのお店の近くには埼玉で有名な山田うどんと全国展開の讃岐うどんのお店があります。そんな中でこのお店はちょっと奥まった所にあり、そこで粛々と続けてきている人気店です。とは言えこれまでなかなか行く機会がなかったのですが、昨日はタイミングが良かったので行くことができました。僕は肉汁うどん、由美子さんは鴨うどんを頼みました。

肉汁うどん
鴨うどん

美味しそうでしょう。そうとても美味しかったです。とにかく繊細で美しいうどんでした。肉汁うどんの方のかき揚げはついつい追加で頼んでしたいましたが、由美子さんの闘病が始まってから油っこいものは避けてきましたので、なんと数ヶ月ぶりのかき揚げでした。

ところで術前と術後ではいろんなことが違ってきます。特にメンタル面の変化についてゆくのが大変です。術前は抗癌剤投与が続きましたので、日々癌を縮小させるために副作用との闘いでした。それは過酷でしたが、ある意味闘う相手が明確なので必死にやっていれば良かったんです。しかし手術によってひとまずは癌を切除することができた今は、いかに再発転移をさせないように暮らすか、そして以前の暮らし方に戻せるかがポイントです。それは緊張を持続させて闘うというよりは、緊張を緩ませてゆくことも必要となります。こんな時に必要になるのが知恵です。そして判断力と決断力。自慢じゃありませんがそんなものは元々あまり持ち合わせていないので、術前とは違う意味でメンタルが大変です。とにかく癌での闘病はその時その時で目的や必要が大きく変化しますので、メンタル面のケアが不可欠だなと思わされています。

そいうわけで昨日数ヶ月ぶりにかき食べたかき揚げはその変化の表れです。あ!かき揚げを食べたのは僕だけでです。でも嬉しいことにかき揚げの脇に椎茸の天ぷらが付いていたので、それは由美子さんにあげました。なので二人とも数ヶ月ぶりの天ぷらということになりました。このちょっとした天ぷらも僕たちにとっては大きな1歩でした。