亜希子の目覚まし時計
大分前のことで、長女の亜希子が元気にしていた頃のことです。僕が旅の支度をしている時に目覚まし時計がどこにあるか分からなくなりました。普段そういうことがないので慌てていたら、小学校に入ったばかりの亜希子が「お祈りしたの?」と少し責めるような口調で言ったんです。父としては少々ムッとする気持ちもありましたが、そこはそこ、目覚ましが見つかるようにとお祈りをしました。
そのまま旅支度をしていたら下着の引き出しから目覚まし時計が出てきました。亜希子の「お祈りしたの?」から始まった物語が美しい結末を迎えたわけです。おそらく前の旅から帰った後に荷物を整理している時に引き出しに紛れ込んだのでしょう。
そのことを今朝も思い出しました。実は何かがなくなるごとにこのことを思い出しているんです。今回何がなくなったのかというと、伸縮できる卓上マイクスタンドの固定ネジです。昨日は1日撮影をしていたのですが、撮影に使うために場所を移動している内になくなっていました。もちろんああちらこちら探しましたが昨日は見つけることができませんでした。
ふと今朝、元々あった場所に落ちているんじゃないかと思い、床に膝をついて机のしたを覗き込んだところ、ちょっとあり得ないようなところに落ちていました。そして亜希子の目覚まし時計のことを思い出したというわけです。
運が良かったと済ませることもできる分けですが、神様に守られているんだなあ・・・、と感謝できる方がいいなあと改めて思う朝でした。