インスタントコーヒー
僕はコーヒーをよく飲んできました。マニア的ではなく仕事をしながら飲めれば良いという人です。ギンイロヒコーキをオープンしてからは何度か手伝いでコーヒーを淹れる必要が出てきたので淹れ方を習いました。それからは朝はドリップで淹れるのが習慣になっています。
ところでインスタントコーヒーってご存知ですよね。瓶に入った粉のあれです。以前はコーヒーを淹れるのが大変だからしょうがなくて飲んでいたんですが、いつからかインスタントコーヒーという飲み物という位置付けで飲むようになりました。
そうしたら淹れたコーヒーと比較しながら飲むストレスから解放されました。手軽さから飲んでいたインスタントコーヒーも毎度、味わいが違うなとか、本物にはかなわないなとか、思いながら飲んでいたわけです。というわけで今もインスタントコーヒーを脇に置きながら書いています。
というわけで今日はsketchのシリーズから「Hot Coffee」を紹介します。
これは妻が大切に保管していてくれたカセットテープから起こした音源です。ちなみに写真ではよくわかりませんが僕はかなりの長髪でございます。そして弾いているのがジャンボというメーカーのギターです。しかも製造番号が〇〇〇〇2だったかなんかで多分このメーカーの相当最初の製品。ヘタをすると1本目に販売したギター(予備も作るらしいので)だったのかもしれません。 僕のはボディーが小さいタイプで12フレットだったと思います。
また写真を見るとギターにもシュアーのSM58というボーカル用のマイクを使っています。もちろんギターにピックアップが仕込んであるエレアコなんてない時代でした。
当時の演奏を聴くとある種の勢いがあります。要は自信があるんです。「え!キャリアを重ねた今は自信がないの?」と思われますよね。当時は知らない故に自信があったという面が否めません。今は相当知ってしまいましたので若い時のように調子に乗ることができません。そういう意味では放っておくとちゃんとしてしまうという自分から、どうやって、どの程度、離れるかが課題といえば課題です。
若い頃は本物になりたいと思っていました。それは誰よりも上手く個性的で魅力的で・・・、でした。でもドリップで淹れたコーヒーもどれが本物なのかはわかりません。だれかが「美味い!」と思えばそれが本物かもしれません。
そういう意味では本物を追い求めるのは幻想なのかもしれません。インスタントコーヒーじゃありませんが僕であれば、いわぶちまことであることがかけがえのないことなんでしょう。
ところで若い頃には自分の歌を40年以上先の自分が聴くなんて考えませんでしたね。