修行のようなペペロンチーノ

数日前に妻がペペロンチーノが食べたいというので、その日の晩御飯はそれにしました。

ペペロンチーノはシンプルなパスタですが、このようなシンプルなパスタはかえって基礎料理力が試されるような感じがします。なので簡単なようで難しく、しくじると眼も当てられない結果を招きやすいものでもあります。そしてこの日の結果はNGでした。

NGの時はどうするかというと、強く心の中で「美味しい、美味しい」と叫んで脳を騙すしかありません。

ここからは言い訳になりますが、失敗の原因は減塩を意識していながらも、工程のイメージがちゃんとできていないうちにスタートしてしまったこと。そして全粒粉パスタ麺を使っているので食感や味わいがだいぶ違うということをわかっていいなかった事だと思います。

普通はパスタ麺を茹でる時にはかなりの塩を投入しなければいけませんが、今回は塩分の低い塩をほんの少しみたいな感じで投入しただけでした。ですので麺はもちろん茹で汁にも塩気はほぼありません。

その先の手順としては、麺が茹で上がったら事前に炒めておいたニンニクと鷹の爪にパスタを投入して、茹で汁の塩分に期待しつつ茹で汁も加えます。そうしてオリーブオイルと茹で汁がなんとも言えない感じにマリアージュされたら美味しくなるのですが、今回はタイミングのせいもあるのか良い感じのマリアージュとはなりませんでした。その上塩味がほぼなく、ちょっと堅めの全粒粉パスタなので、食感がなんかよそよそしい感じになってしまいました。さすがの妻も、美味しいとも美味しくないとも言えない、修行のようなペペロンチーノになってしまいました。

一番の失敗は茹でる時の塩分をもっと大胆に入れるべきだったという事です。塩分計も手に入れているのでそれで茹で汁の塩分を測って調整すればよかったと大反省をしています。そしてその後沸々とリベンジペペロンチーノのマグマが湧いてきつつあるまことです。

とこんなに熱く語っていますが、お伝えしたかったことは食べ終えて食器も洗いおわった後の事なんです。今回鷹の爪は由美子農園で採れたものを使ったので、自分で細かく刻みました。その時にかなりのカプサイシンが指先や手のひらに付着したようで、食器を洗っていたら「え!」と驚くほど指先や手のひらに熱いような痛みを感じ始めたんです。こりゃあ鷹の爪だと思いつつもあんまり痛いので心配になってググってみたところ、やはり同じ目にあった方がいらっしゃいました。カプサイシンを洗い落とすのは油なんだそうです。早速料理用の油で手を洗って、さらにそれを洗剤で洗い落としたところ痛みがかなり軽減されました。何やらカプサイシンは油に溶けやすく、水には溶けないんだそうです。

ググってみてよかったです。あの熱痛い感じではちょっと眠れなかったかもしれません。今度のリベンジペペロンチーノの時には手袋をして調理しようと思います。カプサイシン恐るべしです。

それにしても味も修行、痛みも修行でございました。