宝のような時間

昨日は東京キリスト教大学のレッスン日でした。昨年の12月中旬のコンサートを終えてからの約1ヶ月は妻の闘病ケアに邁進してきたので、久しぶりの仕事となりました。冬学期のレッスンは申し訳ないのですがオンラインにさせてもらっているのですが、学生たちもそれを受け入れてくれてありがたいと思っています。

さてオンラインレッスンはリアルとは全然違うと思われる方が多いと思います。それはやはりリアルの方が良いだろうという意味合いを含めてなんですが、意外や意外オンラインがリアルに優っている部分もたくさんあります。それは一般にオンラインミーティングが広がり始めた4年前に比べると機能も改善されて、用途が広げられているからです。

改善されたことの大きいところは、以前はオンラインに接続しているデバイスが一番目立つ音だけを拾い、その他の音は拾わないないようにフィルターをかけるのが一般的でした。こうすると同じ部屋で他の人が話していても、それらはカットされるので問題なく話せるというわけです。しかしこの時に発生した問題はギターの弾き語りで歌うと、ギターの音が雑音とみなされてしまい声しか聴こえないという問題でした。当時はどうしようもないのでだましだましこれでやってきました。

これを解決したのがミュージシャン用オリジナルサウンドというモードです。こうすると全ての音を拾ってくれるので、設定さえすれば歌とギターの両方を拾ってくれるというわけです。

ただしこの時注意しないとワンワンしてどうしようもなくなるんです。この原因は聴き方にあるんです。それはこのモードの場合スピーカーで聴いているとその音もマイクが拾ってしまうからなんです。なのでミュージシャン用オリジナルサウンドの場合はお互いにスピーカーではなく、ヘッドフォンかイヤフォンを使うと良いということになります。昨日もこのやり方でレッスンをしましたが、順調にレッスンをすることができました。

 

 

こんな動画がありました。

さて前置きが長くなりましたが、オンラインレッスンの良さは細部のことがよくわかるということです。リアルの場合いくら近くてもお互いの距離が2、3メーターくらいはあるでしょう。しかしオンラインだともう少し近くで見ることができます。そうすると指遣いなどの細かいところがよくわかるんです。それと教えている自分自身の集中でき具合も違うようにも感じます。リアルのレッスンだと視界に部屋全体が入ってきますが、オンラインの場合はその人だけが入ってきます。なので集中できる感じがあるんです。自分がオンラインに慣れたこともあるかもしれませんが。

一方オンラインでのデメリットはその場での空気感がないということでしょうか。人と人の間の空気感という意味もありますが、音が空気を震わせている感覚という意味での空気感でもあります。そしてそれは遊びがないというのか、直球勝負をしているような感じとでも言のか、どこかストレートな感じがします。なので昨日も都合8時間ほどのレッスンを終えた時には、それなりに疲れていました。そりゃあリアルでも疲れますかね。

でもおかげさまでそれぞれに良い時間を持つことができました。とにかく将来のある若者たちと時間を共にしながらギターを、歌を、音楽を紡げることは宝のような時間だと思います。