セルフ料理学校の生徒

最近は妻を休ませるために僕が料理を作るようになりました。以前から料理には興味がありましたが、妻を差し置いてまで作るという情熱はもち合わせていなかったので、長いこと料理をすることはありませんでした。しかし妻の闘病という思いがけないことから、料理をする必要に迫られて作り始めたというわけです。

僕の料理はほぼ閃きから始まります。こんなものを食べさせたいなというものが浮かんだら、どうしたらそうなるだろうと素人の頭でコネクリ回してみて作るという感じです。よく考えてみたら食べさせられる方はたまったもんではありませんが、それなりに美味しいと言ってもらっています。💦

僕が料理をしているというと、妻が寝たきりなのかとご心配される方がいらっしゃると思いますが、寝たきりということではなく、今は心身ともにしっかりと休んで、無理をしないようにとの指導をいただいているからです。それで僕が家事を引き受けようとしているわけです。

さて妻と私は済陽式の食事療法を始めています。これは友人の友人がガンサバイバーで、セカンドオピニオンとして北海道から都内の済陽高穂先生の西台クリニックまで通い、なさっていた食事療法を薦められたからです。

そしてその友人がスロージューサーという擦り潰すタイプのジューサーを送ってくださったので、標準治療にプラスして取り組むようになりました。

この類の治療には標準治療を止めることを推奨しているものが多くありますが、本人が強く希望する以外にその選択肢はないと思っています。そういう意味でも標準治療にプラスしてという済陽式食事療法は取り組みやすい方法だと思います。

この食事療法の特徴は野菜と果物の大量摂取(ジュースにして)と、4足歩行の動物は食べないこと。そして減塩です。僕たちは11月初めくらいから本格的に取り組み始めたのでほぼ2ヶ月が過ぎたところです。なんと減塩のおかげで僕の血圧が下がりました。これまでも減塩をしたら良いとお医者さんから薦められていましたが、なかなかできずに、いややらずに来てしまっていましたが、今回は減塩ってこんなに効果があるんだと驚いています。

ところで減塩料理は本当に難しい面がありますが、素材の味を引き出して楽しむという意味では、ちょっと意識高い系の食事かなと自画自賛しています。ほんの少しの塩分でこれだけ味が変化するのかと驚くことが何度もありました。まるでセルフ料理学校の生徒状態です。

今日どうしてこんなことを書いているのかというと、料理をしながら思わぬ自分の不得意分野を発見したんです。それはレシピ通りに作るということです。この料理はこうしたらできる・・・、とわかっていて作ることにはあまり興味が湧かないんです。ある日あまりに不味い料理が続いたからか、「レシピ通りに作ってみたら」と妻からお勧めをいただいた時に直感的に思ったのが「できない」だったのです。これには自分でも驚きました。もしレシピが必要なんだったら自分で開発してみたいなんて思っている自分がどこかにいるんです。

呆れた初心者だと思いますが、これが僕の中の隠れたメンタリティーなんだなあと新しい発見でした。