半歩の半分の半分の半分くらいは

この1月10日で妻の病を見つけていただいてから3ヶ月が過ぎました。病名を告げられた時には妻はもちろんですが、僕も目の前が真っ暗になりました。見つけていただいたのが都内の病院だったので、妻から電話で知らせを受けた僕はすぐに車で病院まで妻を迎えに向かいましたが、よく事故なく高速と首都高を乗り継いで病院に辿り着けたなと思っています。帰りの首都高を走りながらふと、このまま二人で空へ飛んでいってしまいたいな・・・と思ったことはずっと忘れないと思います。

昨年末にアップした動画では闘病の経緯をある程度お話ししていますので気になる方はご覧ください。

ところでブログ等で僕が料理をがんばってやっている、みたいなことを発信しているので、妻は寝たきりなんじゃないか、あるいは入院しているんじゃないのか、とご心配いただいている方がいらっしゃるようです。でもどうぞご安心ください。そういう状態ではありません。現在は通院での抗がん剤治療を受けながら自宅で闘病生活をしています。抗がん剤というと辛い副作用のことを思い浮かべる方が多いと思いますが、最近は副作用を軽減する薬もできて、食事もしっかりいただきながら暮らせています。

ではどうして僕が料理やら家事をやっているのかというと、妻はあまりのショックと闘病への不安からメンタルがやられてしまったんです。お医者さんからはメンタルを上げるには休むことが大切と言われています。とにかくメンタルに無理をさせないようにと言われているんです。なので僕が家事をがんばっているというわけなんです。

しかし闘病生活も3ヶ月が過ぎてほんの少しですがこの暮らしと言いますか、この事実と言いますか、を受け入れることができ始めています。妻のメンタルはまだ時間をかけなければいけませんが、少しずつ快方に向かっています。でもとにかく無理をすることのないように、僕がケアできることはケアしていかなければと思っています。

そして僕も少し落ち着いてきて先のことを考えられるようになってきました。もちろんこれからも、歌う機会があれば歌い続けて行きたいと願っています。少しずつ仕事の方も戻せるようにして行ければ、行かなければ、という思いです。

具体的には春からTCUでの非常勤講師に加えて、日本クリスチャン音楽大学のCCM科で教えることになりました。また「こころの友」という月刊新聞に詩画作家の星野富弘さんの作品を紹介する短い文章を1年書かせてもらうことになりました。アリシアのサイトのリニューアル公開も少しずつ近づいてきています。

今年の年賀状は書けずじまいでしたし、いただいた年賀状への返信も滞ったままになっています。でも半歩の半分の半分の半分くらいは踏み出していますので、どうぞよろしくお願いします。

妻の病を見つけていただいてから3ヶ月が過ぎて近況と今の思いを書かせていただきました。

これは数日前に収録した妻の歌です。